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※本記事は2026年8月時点の情報に基づいています。
社会環境が急速に変化し、DXや少子高齢化の進行、さらにコロナ禍の影響・・・「私はどのように働きたいのか」「私はどういう人生を送っていきたいのか」とひとりひとりが自らの生き方を問い続ける状況が続いています。このような中、キャリア支援にかかわる専門家「キャリアコンサルタント」の役割や活動にも期待がより高まってきています。
キャリア支援に興味を持ち、キャリアコンサルタントの資格取得を検討している方から、「キャリアコンサルタントはどのくらいの収入を得られるのか?」「どのような働き方をしているのか?」とご相談をいただくことがあります。
今回は、独立行政法人労働政策研究・研修機構による研究報告書、東京ハローワークの発表データを元に、キャリアコンサルタントの年収と働き方について解説します。
本記事を読むと、収入と働き方の両側面から、キャリアコンサルタントになって就職・転職を検討すべきか理解を深められるでしょう。
キャリアコンサルタントの年収は?
2023年に公表された独立行政法人労働政策研究・研修機構「労働政策研究報告書No.227 第2回キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査*1」(2022年7〜8月実施)によると、キャリアコンサルタントの個人年収で最も多いのは「300〜400万円未満」で、中央値は「400〜500万円未満」です。直近5年間で年収は若干増加しており、正規雇用では年収500万円以上が多く、非正規雇用では100〜500万円未満が多い傾向がみられます。
キャリアコンサルタントの年収帯でもっとも多いのは?
「労働政策研究報告書No.227」によると、アンケートに回答したキャリアコンサルタントの最近1年間の税込み個人年収のうち、最も多いのは「300〜400万円未満」で、中央値は「400〜500万円未満」となっています。
出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「労働政策研究報告書No.227 第2回 キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査」(2023年6月、調査時期2022年7〜8月、n=7,586)
参考として、国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査*2」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は478万円(前年比3.9%増)です。

出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「労働政策研究報告書No.227 第2回 キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査」(2023年6月、調査時期2022年7〜8月、n=7,586)
出典
*1 独立行政法人労働政策研究・研修機構が、キャリアコンサルタント有資格者を対象に2022年7月から8月にかけてアンケートを実施し、キャリアコンサルタントの働き方や活動内容等について実態を把握し、その現状と課題を明らかにすることを目的に作成した報告書。
独立行政法人労働政策研究・研修機構「労働政策研究報告書No.227 第2回キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査(2023年6月21日公表)」 を参考
*2 国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」 を参考
東京ハローワークの求人賃金は月額約23万円以上31万円以下
キャリアコンサルタントの求人賃金についても調査しました。
東京ハローワークが2022年7月に発表した「職種別賃金状況*3」によると、キャリアコンサルタントが属する「その他の専門的職業*3」の求人賃金は22.6万〜31.4万円です。すべての職業の求人賃金が22.4万〜30.7万とのことですから、キャリアコンサルタントの求人賃金は平均並みと言えそうです。
出典
*3 東京労働局 東京ハローワーク「職種別賃金状況(一般常用)」を参考
*4 厚生労働省の職業情報提供サイト(日本版O-NET)jobtagには、キャリアカウンセラー/キャリアコンサルタントの職業分類は「カウンセラー(医療・福祉施設を除く)」に属すると定義されています。 よって、こちらの記事ではキャリアカウンセラーとキャリアコンサルタントは同義として扱っています。(厚生労働省編職業分類では「カウンセラー(医療・福祉施設を除く)」は中分類にあり、細分類に「職業カウンセラー」があります)
厚生労働省 職業情報提供サイト(日本版O-NET)jobtag「キャリアカウンセラー/キャリアコンサルタント」 を参考
「厚生労働省編職業分類(平成23年改定)」において、「キャリアカウンセラー」が属する「カウンセラー(医療・福祉施設を除く)」は、大分類「専門的・技術的職業」の中の「その他の専門的職業」に属しています。「その他の専門的職業」には、「カウンセラー(医療・福祉施設を除く)」の他に、図書館司書、学芸員、個人教師、職業スポーツ家、通信機器操作員、他に分類されない専門的職業も含まれます。
厚生労働省職業安定局 ハローワークインターネットサービス「厚生労働省編職業分類(平成23年改定)」を参考
2011年6月に独立行政法人労働政策研究・研修機構が発表した「第4回改訂厚生労働省編職業分類 職業分類表 改訂の経緯とその内容」によれば、「専門的・技術的職業」とは、「高度の専門的水準において科学的知識を応用した技術的な仕事、および医療・法律・経営・ 教育・著述・宗教・芸術などの専門的性質の仕事をいう。 この仕事を遂行するには、通例、大学・研究機関などにおける高度の科学的訓練・その他 の専門的分野の訓練、またはこれと同程度の実務的経験あるいは芸術上の創造的才能を必要とする。 」とされています。
独立行政法人労働政策研究・研修機構「第4回改訂厚生労働省編職業分類 職業分類表 改訂の経緯とその内容」 を参考
キャリアコンサルタントの年収は年齢や活動の場、就労状態によって異なるのか?
キャリアコンサルタントの年収は幅広く、全体傾向はほぼ日本の平均年収並みとわかりました。では、年齢や活躍の場によって違いはあるのか調査しました。
キャリアコンサルティングを専業にしている人はどのくらい?
報告書によると、キャリアコンサルティングに関連する活動をしている人(5,333人)のうち、専任・専業は38.3%、兼任・兼業は61.7%です。多くの人が、ほかの仕事と組み合わせながらキャリア支援に携わっています。

キャリアコンサルタントの中心は40代〜60代
キャリアコンサルタントの年代を見ると、50代が40.5%で最も多く、60代(24.0%)、40代(23.0%)が続きます。40代以上で全体の約9割(90.6%)を占めており、社会人経験を積んだうえで資格を取得する人が多いことがうかがえます。性別では女性が58.2%、男性が41.7%です。

出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「労働政策研究報告書No.227 第2回 キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査」(2023年6月、調査時期2022年7〜8月、n=7,586)
正規雇用は600万円以上が5割超、非正規雇用は400万円未満が約7割
年収は、どのような働き方をしているかによって大きく変わります。正規雇用では600万円以上が52.7%を占め、800万円以上も30.0%にのぼります。一方、非正規雇用では400万円未満が68.9%で、600万円以上は5.0%にとどまります。キャリアコンサルタントとしてフリーランス・個人事業主で活動している人も、400万円未満が68.9%と非正規雇用と同じ水準です。

出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「労働政策研究報告書No.227 第2回 キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査」(2023年6月、調査時期2022年7〜8月、n=7,586)
活動している場としては、「企業」が32.6%で最も多く、「学校・教育機関」17.1%、「ハローワークや人材派遣会社などの需給調整機関」13.5%と続きます。現時点で主な活動の場が「なし」と答えた人も24.2%います。

出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「労働政策研究報告書No.227 第2回 キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査」(2023年6月、調査時期2022年7〜8月、n=7,586)
キャリアコンサルティングに関連する活動で生計を立てているかを見ると、「その活動だけで生計を立てている」が20.4%、「主に生計を立てている」が20.0%。一方で「それ以外で主に生計を立てている」が36.1%、「それ以外だけで生計を立てている」が23.4%を占めます。

出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「労働政策研究報告書No.227 第2回 キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査」(2023年6月、調査時期2022年7〜8月、n=7,586)
キャリアコンサルタントはどんな働き方をしている?
キャリアコンサルタントの就労状況は正規雇用、非正規雇用、フリーランスなど
報告書では、キャリアコンサルタントの就労状況についても調査されています。多い順に、正規雇用が51.9%、非正規雇用が26.9%で、約8割が雇用されて働いています。キャリアコンサルタントとしてフリーランス・個人事業主が7.2%、会社経営・団体運営が1.8%で、独立して活動している人は約9%です。
出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「労働政策研究報告書No.227 第2回 キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査」(2023年6月、調査時期2022年7〜8月、n=7,586)
キャリアコンサルタントの活動状況は「ほぼ毎日」と「不定期」で約6割
報告書によると、回答者7,586人のうち何らかの形で活動している人は70.3%(5,333人)です。活動している人に限ると、「ほぼ毎日活動している」が40.4%、「不定期に活動している」が24.8%で、この2つで約65%を占めます。

出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「労働政策研究報告書No.227 第2回 キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査」(2023年6月、調査時期2022年7〜8月、n=7,586)
一方で「活動していない」と答えた人も29.7%います。活動休止の理由としては、キャリアコンサルティングを実施できない環境にあること、あるいは周囲がキャリアコンサルティングの必要性を感じていないことが挙げられています。
キャリアコンサルタントが就いている職種は多様
キャリアコンサルタントが就いている仕事は実に多様です。個人のキャリアが年々多様化・個別化していくにつれて、キャリア支援の知識やスキルが求められる機会が増えていることがわかります。
具体的にはどのような職種に就いているのでしょうか?
第2回調査では、雇用されて働いている人に職種を尋ねています。正規雇用では「人事・総務・事務・管理」が49.8%で最も多く、「(主に)キャリアコンサルタントの仕事」は11.0%。非正規雇用では逆に「(主に)キャリアコンサルタントの仕事」が60.8%を占めます。企業のなかで人事・人材開発の仕事をしながらキャリア支援に取り組む人と、キャリアコンサルタントの仕事そのものを担う人という、大きく2つの姿が見えてきます。

出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「労働政策研究報告書No.227 第2回 キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査」(2023年6月、調査時期2022年7〜8月、n=7,586)
「その他」には、職業相談、職業訓練、就労支援など公務の仕事と関わりの深い職種、教員、大学教員などの教育関連職種、社会保険労務士、ソーシャルワーカー、臨床心理士などの専門職種、人材育成・人材開発、労働組合等の企業内職種が含まれます。
対応できる領域は企業・学校・需給調整機関・地域と幅広い
キャリアコンサルタントはどのような領域に対応できるのでしょうか。
対応できる領域を尋ねたところ(複数回答)、「企業」67.8%が最も多く、「学校・教育機関」61.4%、「需給調整機関(ハローワーク・人材派遣等)」53.6%、「地域(若者サポートステーション・女性センター等)」52.0%と続きます。いずれの領域も過半数が挙げており、多くのキャリアコンサルタントが複数の領域に対応できると答えています。その他では、障がい者の就労支援・職業相談、医療機関や福祉施設などの医療・福祉領域、国や各自治体の行政サービスに係わる公共サービス領域など、さまざまな方面での活動が挙げられています。

出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「労働政策研究報告書No.227 第2回 キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査」(2023年6月、調査時期2022年7〜8月、n=7,586)
キャリアコンサルタントの年収と働き方のまとめ
- キャリアコンサルタントの年収は幅広い。全体傾向は概ね平均年収並み
- 正規雇用では「600万円以上」が5割超、非正規雇用では「400万円未満」が約7割
- 就労状況別では正規雇用が約5割、非正規雇用が約3割、フリー・自営が約1割
- 活動の場は企業が約3割で最多、次いで学校・教育機関、需給調整機関
- 対応できる領域は企業・学校・需給調整機関・地域と幅広く、いずれも過半数
キャリアコンサルタント養成講習 GCDF-Japan
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キャリアコンサルタントは20代から70代までと幅広い年齢の人が活動し、働き方は就労状況、活動の場、活動頻度など、どれも実に多様です。
キャリアコンサルタントは当初、企業や需給調整機関、教育機関や地域などを主な活動場所としてきましたが、近年では医療・福祉領域、公共サービス領域などでの活動も増えています。今後はさらに多くの場で、多様化・個別化していく個人のキャリアを他の専門家とも連携しながら支援していくことが期待されています。
キャリア支援を必要とする人は、さまざまな場所に今も多くいらっしゃいます。まずは、キャリアコンサルティングについて学び、理解を深めてみるところから始めてはいかがでしょうか。






