キャリアコンサルタント養成講習 GCDF-Japan
無料相談会の予約受付中!
今すぐ日程を見る

オフィス街に立つ笑顔の女性

社会経済環境の急激な変化、人生100年時代の到来・・・個人が働き方や生き方を考える必要性が増すにつれ、キャリアそのものへの関心も増えてきています。

今回は、キャリア支援の専門家である「キャリアコンサルタント」の仕事について詳しく説明します。

この記事を読むと、キャリアコンサルタントの仕事内容や活躍している場、年収など働くイメージがわき、キャリアコンサルタントを目指すべきかどうか検討できるでしょう。

キャリアコンサルタントとは

キャリアコンサルタントとは、2016年4月に職業能力開発促進法に規定された国家資格です。
労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行う、キャリア支援の専門家です。

▼関連記事
キャリアコンサルタントとは?資格取得までのステップと試験合格後の手続きを解説

キャリアコンサルタントの仕事内容

ミーティングのシーン

近年、キャリアコンサルタントは、1対1での相談に応じるだけにとどまらず、研修講師やファシリテーター、組織内キャリア形成制度の設計や運用など、活動の幅が広がってきています。

仕事の幅が広がっている背景には、人生における働く期間の長期化、個人の働き方や生き方の多様化・個別化、社会経済環境の変化による企業内のニーズ増加などがあります。

相談者との面談を通じたキャリア支援

相談者にとって理想的な働き方や生き方を実現できるよう、キャリアコンサルティングで支援します。

対象は10代の若者から70代のシニア層まで幅広く、需給調整機関や企業、教育機関などで相談に応じます。

例えば、仕事を探している方なら、これまでの経験やスキルを理解したり、強みを生かした仕事を探したりします。企業で働く方であれば、今後どのような知識やスキルを身につけてキャリアを進んでいくのか、家庭と仕事の両立をどのように図っていくかを考えます。

最近は、対面やオンラインの面談に加えて、SNSなどでテキストを使った面談も増えてきています。

キャリア研修、セミナー、授業などの講師

講師やファシリテーターの役割を通じて、研修に参加する方々が自身のキャリアについて考え、設計するための支援をします。

例えば、学校では、将来働くことを見据えた上で、仕事とはどういうものなのか理解を深めるセミナーや、就職活動を控える学生向けには、自己分析セミナー、業界・職種研究セミナーなどを行います。

企業では、従業員にこれまでの仕事や仕事で経験した出来事などを振り返りながら、今後もイキイキと働き続けられるよう、目標や行動計画を立てるキャリアデザイン研修や年代別研修などがあります。

キャリア研修と個別面談がセットで構成されているプログラムであれば、キャリアコンサルタントが講師とカウンセラーの双方を務める場合もあります。

キャリア形成に関する制度の設計や運用

社会経済環境の変化のスピードが早まり、企業では、変化の中でも労働力と生産性向上を実現すべく、人への投資を進めています。

キャリアコンサルタントは、従業員のさらなる活性化に向けて、キャリア形成支援制度の設計や、制度の運用サポートなどにも携わっています。

具体的には、経営者や企業人事と話し合いながら、企業風土や特色に合ったキャリア形成支援制度を設計し、運用を行います。

キャリアコンサルティングの資格を活かした活動は、上記で紹介した3つ以外にもさまざま行われています。

少数ではあるものの、キャリアコンサルティングに直結する活動以外の「営業・販売・マーケティング」「経営コンサルティング」「広告・広報・デザイン」など、異分野への活用も示されています。

3-28_キャリアコンサルティングの資格を活かした活動(複数回答)

出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「労働政策研究報告書 No.227 第2回キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査」、job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))「キャリアカウンセラー/キャリアコンサルタント

【関連記事】
キャリアコンサルタントの将来性と注目される理由、今後の需要を解説

キャリアコンサルタントになるために必要な知識・スキル

本を読んで勉強する女性

キャリアコンサルタントとして活動するために必要な知識・スキルを、キャリアコンサルタント国家試験の試験科目を用いてご説明します。

カウンセリング基礎力と知識

キャリアコンサルタント国家試験で問われる試験科目は、以下の通りです。

企業や団体などでキャリア支援の実務経験を持っている場合を除き、一般的にはキャリアコンサルタント養成講習で習得した上で国家試験を受験します。

学科

Ⅰ キャリアコンサルティングの社会的意義
Ⅱ キャリアコンサルティングを行うために必要な知識
Ⅲ キャリアコンサルティングを行うために必要な技能
Ⅳ キャリアコンサルタントの倫理と行動

出典:キャリアコンサルティング協議会 国家資格 キャリアコンサルタント試験「キャリアコンサルタント試験の試験科目及びその範囲並びにその細目

実技

Ⅰ キャリアコンサルティングを行うために必要な技能
 1 基本的技能
  1) カウンセリングの技能
  2) グループアプローチの技能
  3) キャリアシートの作成指導及び活用の技能
  4) 相談過程全体の進行の管理に関する技能
 2 相談過程において必要な技能
  1) 相談場面の設定
  2) 自己理解への支援
  3) 仕事理解への支援
  4) 自己啓発の支援
  5) 意思決定の支援
  6) 方策の実行の支援
  7) 新たな仕事への適応の支援
  8) 相談過程の総括

出典:キャリアコンサルティング協議会 国家資格 キャリアコンサルタント試験「キャリアコンサルタント試験の試験科目及びその範囲並びにその細目

キャリアコンサルタント養成講習の認定基準にも、国家試験同様の科目と範囲が明記されています。

キャリアコンサルタント養成講習の科目

出典:厚生労働省「キャリアコンサルタント養成講習認定申請等要領 令和5年5月

キャリアコンサルタント養成講習GCDF-Japanキャリアカウンセラートレーニングプログラム

資格取得後の学習も欠かせない

キャリアコンサルティングの相談者をとりまく社会経済環境は刻一刻と変化しており、適切なキャリアコンサルティングを実施するためには、資格取得後の学習が欠かせません。

国家資格キャリアコンサルタントは、5年毎の資格更新制です。
原則、知識に関しては8時間以上、技能に関しては30時間以上の講習受講が必要になります。

知識講習については、時間の経過に伴い内容自体が変化する労働法令や労働市場の実態等を重点に知識のブラッシュアップを図ることを主たる目的とするものであり、資格取得後に改定のあった労働法令等の最新知識をすべからく修得することが求められます。

技能講習については、受講者のキャリアコンサルタントとしての経験、活動分野や能力水準等に応じて、補うべき分野やさらに伸ばすべき分野が異なることから、一定の科目の範囲内から受講者がキャリアコンサルタントとしての経験に応じて必要な科目を選択して受講することとされています。

出典:厚生労働省「更新講習の受講について

資格講師までに受講が必要な「キャリアコンサルタント更新講習」の科目の一覧です。

キャリアコンサルタント更新講習の科目

出典:厚生労働省「キャリアコンサルタント更新講習認定申請等要領 令和5年5月

キャリアコンサルタントの活躍の場

キャリアコンサルタントの活躍の場は、社会環境の変化や働き方の多様化・個別化にともなって広がりを見せています。

2023年に発表された独立行政法人労働政策研究・研修機構の「労働政策研究報告書 No.227 第2回キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査」の結果も踏まえて、主要な活動の場をご説明します。

近年は、企業内で活動するキャリアコンサルタントが増えています。

需給調整機関などでの活動

ハローワークや派遣企業など需給調整機関では、求職者からの相談に応じます。

需給調整機関では、「就職・転職活動の進め方」「履歴書やエントリーシートの書き方や添削など」「過去の経験の棚卸し、振り返り等」の割合が、他の活動の場よりも多く、主要な支援になっています。

企業などでの活動

企業でのキャリアコンサルタントは、キャリア形成に関する制度設計や運用業務が主要な活動になってきています。

従業員から受ける個別相談では、「現在の仕事・職務の内容」「今後の生活設計、能力開発計画、キャリア・プラン等」「職場の人間関係」が主な相談テーマとなっています。他にも、部下育成やキャリア形成、企業内での異動希望やメンタルヘルスなどについての相談も、他の活動の場よりも多いとされています。

大学や高校、中学校などでの活動

学校・教育機関でのキャリアコンサルタントは、セミナーやキャリア関連授業の講師をしたり、学生からの相談を受けたりします。

学生からの相談テーマとしては「履歴書やエントリーシートの書き方・添削等」「就職・
転職活動の進め方」「面接の受け方」などがメインです。

出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「労働政策研究報告書 No.227 第2回キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査

キャリアコンサルタントの年収は?

2018年に発表された独立行政法人労働政策研究・研修機構の「労働政策研究報告書 No.200 キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査」によると、キャリアコンサルタントの年収は200万円未満から1,000万円以上までと幅広いことがわかっています。

資格者全体の傾向はおおむね平均年収並みであり、企業につとめる正社員では「600万円以上」が多い傾向です。

【関連記事】
キャリアコンサルタントの年収や働き方は?活動状況についても解説

現役で活躍中のキャリアコンサルタント 山田千賀子さんにインタビュー

山田千賀子さんインタビュー

「GCDF-Japanキャリアカウンセラートレーニングプログラム」がスタートして間もない時期の受講生であり、現在もキャリアコンサルタントとして多方面で活躍中の山田千賀子さんに、キャリア支援をはじめたきっかけ、これまで携わってこられた仕事、キャリアコンサルタントとして大切にしていることなどを伺いました。

Q. まずは、キャリア支援の道に進んだきっかけを教えてください。

新卒では人材事業会社に勤めていました。短大卒業後に10年勤務した後、出産で退職しました。その後、復帰まで10年近くブランクがありましたが、元所属先からお話しをいただき、研修インストラクターのような単発のお仕事はしていました。

人生に関わることには元々興味がありました。何か思いがあるわけでもなく、好きなんですね。人の生きざまを辿るテレビ番組は好きでしたし、子どもの頃は図書館にある偉人伝をすべて読み「他にはもうないんでしょうか?」と図書館の方に聞きにいったくらい好きでした。生きざまに触れていくことそのものが自分の関心事でしたね。

「個人と距離を詰めるのがすごい得意だよね。先々はそういうのを仕事にするのもいいのかもね」と元上司に言われたこともあり、子どもが大きくなってそろそろ働こうかなと思ったとき、個人を支援する仕事をしてみようかなという思いがありました。

当時、産業カウンセラー資格の資料を取り寄せようと思っていた矢先、元所属先の知人からすすめられたことがきっかけで、GCDFを受講しました。まだキャリア支援の職業のイメージはなく、誘われたので受講してみたのが始まりです。

GCDFのクラスメイトは、いずれ指導者など第一人者になっていく人たちばかりで、主婦で無職で入ったのは私くらいでした。「とにかく生涯現役でいよう」と思っていたので、目の前のことを必死でやり、2002年にGCDF-Japanキャリアカウンセラー資格を取得しました。

Q. これまで、どのような活動をしてきましたか?また今はどのような働き方をされていますか?

キャリアカウンセラーの資格取得後、最初は一般の方からのメール相談に携わりました。
幅広くいろいろな方の相談を受けるもので「声優になりたいんですけれどどうしたらいいですか」というような相談から「コンビニで店長をしていますが、なかなか笑顔が作れません」というささやかな相談までメールで回答するお仕事です。
「メールとはいえ相手の気持ちを受けた文を入れてください」と指導を受けて確かにそうだなと思ったり、「この言い方だとこういう受け取られ方もしますよ」とご指摘いただいたりと、ディレクターにかなり鍛えていただいたことがベースとなって、以降の活動につながっていきます。

その後、小学生向けのキャリア授業、子供向けの職業体験型テーマパークでのパビリオン立ち上げ、転職エージェントでの模擬面接や面接力向上セミナー、大学生のキャリア支援、アスリートのキャリアサポートプログラム立ち上げなどに携わってきました。

最近は、企業のビジネスパーソンの若手から、ミドル、シニアまで幅広く相談を受けています。また、派遣スタッフの登録者対象のキャリア相談も担当しています。コロナ禍以降はオンラインが普及しましたので、週1回の趣味の時間は確保しつつ、在宅で相談枠を増やしてやっています。

Q. 山田さんはフリーランスで活躍中とのこと、キャリア支援のお仕事はどのように探されていますか?

実は、自分から営業した経験がないのです。
目の前のことをすごく一生懸命やっていたら誰かが声をかけてくださることの連続で、非常にうまい具合につないでくれるんです。

最初から私ができることはこれだと限定せず「せっかく声をかけてくださったんだから、やってみよう」とやっていくうちに、気がついたらずいぶんいろいろなところに関わっていました。

Q.長年にわたり相談業務に携わる中で、働く環境や相談者の変化をどのように感じていますか?

「なるべく長く働くことを前提にどう生きていくか?」というふうに大きく変わってきていると思いますね。

「何の資格を取ったら一生仕事がありますか?」とか「何か専門性をつけたほうがいいですか?」と今でも聞かれたりしますが、そのような万能なものってないですよね。

相談者の方には「変わっていきながら、しなやかにやっていくのがキャリアですよ」とお伝えしています。

市場価値は、自分と外との関係の中でしか決まらないことです。
大げさな言い方かもしれませんが、市場を見ていきながら、自分のやりたいことややりやすいことを戦略的に考えることが大事になっていると思います。

例えば、サッカー選手が、自分のクラブチームで同じポジションの人に圧倒的に負けているとします。その場合、ポジションを変えてもチームにとどまるか、別のクラブチームの同じポジションを狙うか、自分の価値の出し方をいろいろ考えられますよね。

キャリアコンサルティングでは、相談者の思いに寄り添って相談者が意思決定をしていきます。とはいえ、ただ話をしてすっきりしただけでは「それで、このあとどうしたらいいですか?」と相談者が困ってしまいます。

キャリアコンサルタントも一緒になって汗をかきながら、今後どうやっていったらいいかを考えるように変わってきている感じはしますよね。

Q. キャリアコンサルタントとして忘れてはならない、大事にしていることなどありましたら、ぜひ教えてください。

約20年この仕事をやってきてもずっと変わっていないのは、ある一定の緊張感です。今でも、どのような方との面談であろうと、始まる前には必ず深呼吸するぐらい緊張します。

人の人生に触れていくのが好きとは言ったものの、相談者の人生に対する敬意が必要ですし、キャリアコンサルタントには人生に触れるだけの責任があると思っています。相談者に何かをしてあげるというのはおこがましく、相談者の人生に触れて全力で向き合って行うことが精一杯だと思ってやっています。

キャリアコンサルティングは、真剣な領域の仕事だと思っていますし、やるほうも気合が必要です。何年経っても慣れることはなく、すごくできたとか、熟練したぞとは決して思わないです。期待に答えられないこともあるし、申し訳なかったと思うことも。記録を作成しながら落ち込むこともあります。

社会はこれからも変わっていくし、相談者自身も変わっていきます。キャリアコンサルタントである自分もまた、常に変化しています。
変化の最中にいるのだから、慣れたり、熟練してしまうことはない仕事だと思いますね。

キャリアコンサルタント養成講習GCDF-Japanキャリアカウンセラートレーニングプログラム

キャリアコンサルタントを目指すなら

グループワークのシーン

相談者がよりよい人生を送ることが、ひいてはよりよい社会実現にもつながる、キャリアコンサルタントの仕事は、非常にやりがいのあるものです。

キャリアコンサルタントを目指すなら、厚生労働大臣が認定する「キャリアコンサルタント養成講習」を受講することが一般的です。キャリアコンサルタント養成講習を行う団体は現在23団体あります。各団体の「養成講習」にはそれぞれ特徴があり、費用や日程、受講方法もさまざまです。

養成期間は約2ヶ月から6ヶ月で、総時間数150時間のカリキュラムです。知識・技能の両側面からキャリアコンサルティングの基礎を学び、習得します。カリキュラムの約半分は理論や知識、残り半分は面接実技を習得します。

数ある養成講習の中でも「GCDF-Japanキャリアカウンセラートレーニングプログラム」を選んだ方の理由としてもっとも多いのは「独学が難しいカウンセリングの実技を体系的に学習できるから」です。カウンセリング実技の学習、訓練が充実しており、カウンセリングの進め方や相談者への関わり方について、ロールプレイングや指導を通じて体感しながら理論的に学べます。

また、「GCDF-Japanキャリアカウンセラートレーニングプログラム」の受講者は、人材サービスや企業の人事部門、大学等の教育関等に携わる人材のプロフェッショナルの方々の比率が高いことも特長です。養成講習では受講者同士が切磋琢磨して学びを深め、講習の修了後も培ったネットワークを活用して、さらなる学びや仕事のチャンスに繋げられます。

講座とカリキュラム

キャリアコンサルタントの仕事についてのまとめ

最後にキャリアコンサルタントの仕事についてまとめました。

  1. 個別相談ににとどまらず、講師や制度設計や運用など活動の幅が広がっている
  2. 少数ではあるものの、異分野への活用も増えている
  3. 近年は「企業」での活動が増えている