キャリアコンサルタント養成講習 GCDF-Japan
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キャリアコンサルタント養成講習や国家試験、更新講習などを調べると、キャリアコンサルタント関連の団体を多く目にします。

「キャリアコンサルタント」「キャリアコンサルティング」「キャリアカウンセラー」「キャリアカウンセリング」「協会」などを用いた似た団体名が多く、これからキャリアコンサルタントを目指す人にとっては、どこの団体の講座や試験を受けるのがいいのか、迷ってしまうことでしょう。

今回は、どのような試験実施団体があるのかや試験の違いや特長、養成講習、更新講習の実施団体や選び方についても解説します。

この記事を読むと、試験実施団体や団体による特長、試験や講習を選ぶにあたっての理解が深まることでしょう。

キャリアコンサルタントの登録試験機関は「協議会」と「JCDA」の2団体

まずは、キャリアコンサルタント試験を実施している団体についてご説明します。

キャリアコンサルタント試験は、キャリアコンサルタントが国家資格となった2016年4月1日に指定を受けた2団体が実施しています。「特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会」と「特定非営利活動法人日本キャリア開発協会」です。

2022年3月の厚生労働省の資料の「実施主体としての指定等法人の適格性」には、以下のように書かれています。

令和4年(2022年)3月現在登録されている登録試験機関について、1機関(キャリアコンサルティング協議会)は技能検定制度におけるキャリアコンサルティング職種に係る指定試験機関、1機関(日本キャリア開発協会)は従前のキャリア・コンサルタント能力評価試験を実施してきた機関であり、いずれもノウハウ、実績ともに十分有していること、登録要件についても厳格に審査を行い、登録要件を満たすものと判断されたものである。

*()内は引用時に補足しました。
出典:厚生労働省「国からの指定等に基づき法人が実施する事務・事業に関する政策評価

ここからは、2つの団体の設立経緯や特徴について解説します。

「キャリアコンサルティング協議会」が設立された経緯と特徴

キャリアコンサルティング協議会のトップページ出典:特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会

特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会は、キャリアコンサルタントを養成する団体、能力評価試験を行う団体、キャリアコンサルティングの実践・研究などに関わる団体が相互に協力して、キャリアコンサルタントの資質確保活動とキャリアコンサルティングの普及啓発活動を行うことを目的として設立された団体です。英語表記 Career Consulting Conferenceの頭文字をとって「CCC」あるいは「キャリ協」「協議会」などと呼ばれることもあります。

2004年3月、キャリアコンサルタントの養成などにかかわる各機関が、それぞれの枠を超えて相互に協力し、キャリアコンサルタントの資質の確保やキャリアコンサルティングの普及啓発を図り、個人の主体的なキャリア形成と職業生活の充実、ひいては国の雇用の安定に貢献することを目的に参集したことから始まり、2007年8月にNPO法人として設立されました。
2023年3月現在、19の会員団体と6の賛助団体、1つの特別団体が活動に参加しています。

キャリアコンサルティング協議会キャリアコンサルタント試験のトップページ出典:CC協議会 キャリアコンサルタント試験(国家資格)

キャリアコンサルティング協議会の特徴は、キャリアコンサルタント試験登録機関だけでなく、1級・2級キャリアコンサルティング技能検定の登録試験機関、キャリアコンサルタント資格の登録機関でもあることです。

「日本キャリア開発協会(JCDA)」が設立された経緯と特徴

日本キャリア開発協会のトップページ出典:日本キャリア開発協会(JCDA)

特定非営利活動法人日本キャリア開発協会は、キャリアカウンセリングの啓発・普及、CDA*の能力と倫理基準ガイドラインの設置と施行、キャリアカウンセラーとしての活動支援、国家資格キャリアコンサルタント試験の実施、社会貢献事業などを行う団体です。英語表記 Japan Career Development Associationの頭文字をとった「JCDA」という略称があります。
*CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)・・・日本キャリア開発協会が認定している民間のキャリアカウンセラー資格。
出典:日本キャリア開発協会「CDA資格について

日本キャリア開発協会は、2002年2月に発足しました。
全米キャリア開発協会(NCDA)の季刊誌に、会長の立野了嗣氏の論文を掲載、同じくNCDAの国際大会で立野氏が講演したことを経て、2001年7月にNCDAの国際提携機関になりました。また、2022年11月には厚生労働省「キャリア形成促進助成金(職業能力評価推進給付金)対象キャリア・コンサルタント能力評価試験」に、CDA資格認定試験が指定されました。

2016年4月からは、キャリアコンサルタント登録試験機関および更新講習実施指定期間として厚生労働省に登録認定されています。
出典:日本キャリア開発協会「協会の歩み

日本キャリア開発協会キャリアコンサルタント試験のトップページ出典:国家資格 キャリアコンサルタント試験 公式ウェブサイト | 国家資格 キャリアコンサルタント試験

日本キャリア開発協会の特徴は、「CDA」という独自の民間キャリアカウンセラー資格と「経験代謝」という独自の考え方に基づいたキャリアカウンセリングを提唱していることです。「経験代謝」とは会長の立野了嗣氏が提唱するもので「経験から学ぶ、”学びの構造”」であるとしています。
出典:日本キャリア開発協会「キャリアカウンセリングとは何か

2つの試験団体で出題方法と評価基準が違う

勉強する女性

キャリアコンサルタント試験を受験する際、学科試験はどちらの団体でも同じ問題が出題されますが、実技試験は出題方法や評価基準が違います。あらかじめ注意しておきましょう。

実技試験の出題方式や評価区分の違いは以下のとおりです。

キャリアコンサルティング協議会日本キャリア開発協会
論述の出題方式 事例記録を使用。 キャリアコンサルタントの意図や受験者自身が考える問題、今後の進め方を問われる。 逐語記録を使用。 2つの逐語記録の違いや応答についてや今後の具体的な展開方法について問われる。
面接の評価区分 「態度」「展開」「自己評価」 「主訴・問題の把握」「具体的展開」「傾聴」

出典:キャリアコンサルティング協議会 国家資格 キャリアコンサルタント試験「過去問題」、日本キャリア開発協会 国家資格キャリアコンサルタント試験「過去問題

キャリアコンサルティング協議会が実施する論述試験では、「事例記録」が使われます。事例記録とは、キャリアコンサルタントが実際に行った1対1の面談を元に作られるものです。相談者とキャリアコンサルタントの応答内容の中で重要なポイントをピックアップし、さらにキャリアコンサルタントの所感(見立てや今後の方針)を記載して作られます。

試験では事例記録を読み、相談者が相談したかったこと、キャリアコンサルタントの意図、受験者自身が考える相談者の問題、今後の進め方の方針を問われます。

一方、日本キャリア開発協会が実施する論述試験では、「逐語記録」が使われます。逐語記録とは、面談における相談者とキャリアコンサルタントの応答を一語一句、文字に起こしたものです。試験では、対応のちがう2つの逐語記録を読み、応答のふさわしさ、受験者自身が考える相談者の問題、今後の展開を問われます。

キャリアコンサルティング協議会の評価区分は「態度」「展開」「自己評価」であるのに対し、日本キャリア開発協会の評価区分は「主訴・問題の把握」「具体的展開」「傾聴」となっています。

2つの団体で、実技試験の出題方式や評価区分は異なるものの、試験の出題範囲は共通です。基礎をしっかりと学べば、いずれの試験も対応可能です。
各団体のサイトでは、論述の過去問題が公表されています。出題方法の具体的な違いについて、一度チェックすることをおすすめします。

【関連記事】
キャリアコンサルタント資格の難易度は?国家試験の合格率推移も解説

キャリアコンサルタント養成講習の実施団体は?認定基準についても解説

続いては、キャリアコンサルタント養成講習と、その実施団体について解説します。そもそも、キャリアコンサルタント養成講習とはどのような講習なのでしょうか?

厚生労働省の定めるキャリアコンサルタント養成講習の認定基準とは?

キャリアコンサルタント養成講習は、以下のような基準に適合した上で厚生労働省の認定を受けています。

  1. カリキュラムの科目と範囲に応じていて、時間数が定められた時間数以上であること
    キャリアコンサルタント養成講習の科目
  2. 講習を実施する団体の職員、講習の実施方法や実施計画が適切であること
    • 全体の半分以上を通学またはオンライン講習*で行います。すべてを、相手の状態を相互に認識できない通信方式で行ってはいけません。
    • *オンライン講習・・・映像及び音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら講義又は演習をする方法
    • 科目や範囲によっては、通信方式でも行えます。場合によっては添削指導を行います。
    • 講義と演習には、知識と技能の修得度確認を含みます。
    • 科目に応じた適切な内容の教材を用います。
    • 科目に応じて、専門的な知識、技能・経験をもつ人が講師を担当します。
    • 演習には、講師以外に事務局などの補助者を配置します。
    • 受講者数は、講義は 30 人以下、演習は 20 人以下とします。
  3. 講習を実施する団体は、講習の実施計画の適正かつ確実な実施に必要な経理的・技術的な基礎をもっていることとします。
  4. 法律違反をしていないこと、厚生労働省による調査や報告に協力し、指導や助言に従うことなどとされています。

出典:厚生労働省「キャリアコンサルタント養成講習認定申請等要領

キャリアコンサルタント養成講習を実施しているのは22団体

キャリアコンサルタント講習検索サイトによると、2023年6月現在、22団体がキャリアコンサルタント養成講習を実施しています。

キャリアコンサルタント養成講習の一覧

※通信・・・配信動画やダウンロードしたテキスト等を使用して、一定の期間内に自分のペースで受講が可能な講習形態、
通学・・・リアルタイム授業のこと。オンラインでリアルタイムに行う講習も含む。

出典:厚生労働省「講習一覧(養成講習)[PDF]

キャリアコンサルタント講習検索サイトを利用すると、すべてのキャリアコンサルタント養成講習の詳細を確認できます。

キャリアコンサルタント講習検索サイト

キャリアコンサルタント養成講習GCDF-Japanキャリアカウンセラートレーニングプログラム

キャリアコンサルタント養成講習はどの団体で受けたらいいのか?

22団体で実施されているキャリアコンサルタント養成講習。受講するなら、どのようなポイントをチェックしながら選べばいいのでしょうか?
ここでは講習を選ぶときのヒントをご説明します。

講義

講師やクラスメイトと対面やオンラインミーティングで学習する形式をはじめ、テキストを自分で通読する形式や、eラーニングとテキストで自習を進める形式があります。自分自身で学ぶ比率の高い講習は、比較的安価なようです。

キャリアコンサルタントを目指すなら、キャリアコンサルタント試験に合格できることはもちろんのことです。資格取得後、支援を求める相談者を目の前にして、キャリアコンサルティングを行うことを想定し、自分に合った学び方のできる講習を選ぶとよいでしょう。

演習

キャリアコンサルタントとして重要な責務は、相談者にとって役に立つキャリアコンサルティングができるための土台、基礎をしっかり学び、身につけることです。

養成講習では、ロールプレイング形式で、1対1の相談場面を想定した練習をすることが多くあります。どちらの講習でも、通学の場合はリアルに対面しながら、オンラインの場合はブレイクアウトセッションなどの少人数のグループに分ける機能を使って行われます。

通学とオンライン

通学方式とオンライン方式、どちらを選ぶか悩む方もいらっしゃると思います。

キャリアコンサルタント試験の実技試験は対面形式で行われます。そのため、対面のロールプレイングに慣れるために通学を選ぶ人もいます。
通学なら、ロールプレイの合間や休憩時間の会話を通じてクラスメイトとの友好を深められ、学習モチベーションも上がることでしょう。

感染予防したい場合や自宅の近くにスクールがない場合、育児や介護などで長時間家を離れられない場合などは、オンライン受講も検討しましょう。通学時間をかけずに学べます。

GCDFプログラムでは、ロールプレイングの録音や文字起こし、講師による個別指導などを通じて課題を明確にし、課題克服に向けてロールプレイングを何度も繰り返します。また、受講生同士のロールプレイングに加えて、有資格者の認定クライアント役とも行います。プログラムの一環ではありつつも、第三者と本番さながらの緊張感を持って練習することで、実際に現場でキャリアコンサルティングを実践する時に力が発揮できるようになるのではないかと考えています。

キャリアコンサルタント養成講習をオンラインで受講するメリットと注意点とは?キャリアコンサルタントが解説

キャリアコンサルタント養成講習GCDF-Japanキャリアカウンセラートレーニングプログラム

受講期間・時期

キャリアコンサルタント養成講習の受講期間は3ヶ月から6ヶ月と講習によって異なります。毎週または隔週の決められた曜日に講義を受ける講習がほとんどのようです。あらかじめ受講したい講習のスケジュールを確認しましょう。

最短のキャリアコンサルタント試験の受験を検討する場合でも、講習修了から受験日までには、約2ヶ月から4ヶ月程度の自習期間があります。受験手続きの締め切りが受験日の数ヶ月前に設定されるためです。この点も考慮しながら受講時期を検討するとよいでしょう。

専門実践教育訓練給付金を活用して受講する

キャリアコンサルタント養成講習は、厚生労働省による教育訓練給付制度*のうち、専門実践教育訓練の対象講座です。

雇用保険の一般被保険者などで給付金の対象となる方は、専門実践教育訓練給付金を活用すると、受講費用の50%(年間上限40万円)が支給されます。
加えて、養成講習修了後、最短で受けられる試験に合格して資格取得等をし、かつ訓練修了後1年以内に雇用保険の被保険者として雇用された場合は、受講費用の20%(年間上限16万円)の追加支給を受けることができます。

受講料とは別料金で支払う受験料や教材費、配布される器材の費用などは受講費用に含まれないのであらかじめご注意ください。

制度を利用してGCDF-Japanキャリアカウンセラートレーニングプログラムを受講する場合の受講料(例)

専門実践教育訓練給付金を利用してGCDF-Japanキャリアカウンセラートレーニングプログラムを受講する場合の受講料

*教育訓練給付制度・・・働く方々の主体的な能力開発やキャリア形成を支援し、雇用の安定と就職の促進を図ることを目的として、厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した際に、受講費用の一部が支給されるものです。
出典:厚生労働省「教育訓練給付制度

専門実践教育訓練給付金の利用を希望する場合は、受講日の1ヶ月前までにご自身でハローワークでお手続きを完了する必要があります。

【参考記事】
専門実践教育訓練給付金の利用について

キャリアコンサルタント更新講習の実施団体は?指定基準についても解説

キャリアコンサルティングのシーン

続いては、キャリアコンサルタントの資格取得から更新までの5年間に受講するキャリアコンサルタント更新講習と、その実施団体について説明します。

厚生労働省の定めるキャリアコンサルタント更新講習の指定基準とは?

キャリアコンサルタント更新講習は、更新講習指定基準に適合した上で、厚生労働大臣の認定を受けた講習とすることとされています。
知識講習は下の別表の一の区分について、技能講習は二の区分からキャリアコンサルタントが自身の経験に応じて科目を選んで受講します。

キャリアコンサルタント更新講習の科目

キャリアコンサルタント更新講習は、以下のような基準に適合した上で、厚生労働大臣の指定を受けています。

  1. 知識講習は講義で、技能講習は講義または演習で行います。
  2. 技能講習は、全体の半分以上を通学またはオンライン講習*で行います。
    *オンライン講習・・・映像及び音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら講義又は演習をする方法
  3. 知識講習、技能講習のいずれも知識や技能の修得ができていることを確認する内容を含むこととされています。
  4. 講師は、キャリアコンサルティング技能士1級または2級、または関連分野の大学教授などの実績を有する者で、該当する科目の講義や演習内容・方法などの具体的な企画や運営にかかわる指導的な立場の者を配置することとされています。また、複数の科目にまたがる講習の場合の担当科目ごとの主任講師や、教材開発担当者についても経歴も明示することとされています。
  5. 演習には、講師以外に事務局などの補助者を配置します。補助者は、講師をサポートしたり、受講者の技能の修得を支援したりする役割です。キャリアコンサルティング実務経験や能力をそなえたキャリアコンサルタントを配置するように努めることとしています。
  6. 教材は、科目に応じた適切な内容のものを扱うこととされています。キャリア形成支援上、有用性や信頼性の評価が一般的に確立されている内容を扱い、演習については修得内容や到達目標を明示することになっています。教材は市販教材でも、理解が促進できるように不足内容が補足されるなど工夫があればよいとされています。
  7. 受講者数は、講義は 30 人以下、演習は 20 人以下とします。
  8. 講習を実施する団体は、講習の実施計画の適正かつ確実な実施に必要な経理的・技術的な基礎をもっていることとします。
  9. 法律違反をしていないこと、厚生労働省による調査や報告に協力し、指導や助言に従うことなどとされています。

出典:厚生労働省「キャリアコンサルタント更新講習指定申請等要領

キャリアコンサルタント更新講習を実施しているのは知識・技能合わせて66団体

2023年6月現在、キャリアコンサルタント更新講習については、知識講習を22団体、技能講習を64団体、合わせて66団体が実施しています。

キャリアコンサルタント講習検索サイトを利用すると、すべてのキャリアコンサルタント知識講習・技能講習を確認できます。

キャリアコンサルタント講習検索サイト

キャリアコンサルタント更新講習の選び方

年々講習が充実していくキャリアコンサルタント更新講習。どちらの講習を選べばよいでしょうか?

知識講習

知識講習を受講する主な目的は、資格を取得してからの時間経過にともなって、内容自体が変化する労働法令や労働市場の実態等の知識をブラッシュアップすることです。

厚生労働大臣の指定を受けた知識講習はすべて8時間以上の講習で、一つの講習を受講することで更新申請に必要な学習時間数を満たせます。

知識講習は、オンラインで実施されるものが多く、一部通学で実施されているものもあります。どのような専門講師による講義なのか、実務に活かせるような内容かなどをチェックしながら選ぶとよいでしょう。

慶應義塾大学名誉教授 花田光世先生による全体監修。第一線の学識者と専門家による、現場で役立つ知識講習決定版。
決済後すぐに視聴スタート、90日間視聴可能。
【CCA】キャリアコンサルタント知識講習(WEB)

技能講習

キャリアコンサルタントの役割は、2020年以降、就職や転職支援に加えて、キャリア自律や「リスキリング」と呼ばれるような新たな能力習得支援の色合いも強まっています。また、企業内キャリアコンサルタントとして、人事と協働することや経営層へ報告することなどの役割も増えてきています。

出典:厚生労働省「キャリアコンサルタントの能力要件の見直し概要」・平成27年度「キャリア・コンサルティング研究会」報告書

2023年6月現在、技能講習の修得内容は、1対1の相談場面で必要な技能のブラッシュアップがメインです。キャリアコンサルタントは、自分の課題や学びたいテーマに合った科目を選択して受講します。技能講習は10の区分に分けられ、合わせて490の講習が実施されています。

*()内の講習件数は、2023年6月現在、キャリアコンサルタント講習検索サイトで調べたものです。
出典:厚生労働省「キャリアコンサルタント講習検索サイト

  • 企業等領域(71件)
    労働者の自律的なキャリア形成を促すためにはキャリアコンサルティングが有効です。労働者の自律的なキャリア形成のため、キャリアコンサルタントは企業組織の視点も踏まえてキャリア形成支援を行う必要があります。
    技能講習には、キャリア形成支援のほか、セルフ・キャリアドック*の活用やグループアプローチ、マネジメント支援などの講習があります。
    *セルフ・キャリアドック・・・企業がその人材育成ビジョン・方針に基づき、キャリアコンサルティング面談と多様なキャリア研修などを組み合わせて、体系的・定期的に従業員の支援を実施し、従業員の主体的なキャリア形成を促進・支援する総合的な取組み、また、そのための企業内の「仕組み」のことです。
    出典:厚生労働省「セルフ・キャリアドック」導入の方針の展開
    出典:厚生労働省「働く環境の変化に対応できるキャリアコンサルタントに関する報告書
  • 教育領域(26件)
    大学や高等学校、中学校、小学校でキャリアコンサルティングやキャリアガイダンスなどを行うために必要な技能を身につける講習です。学生の職業選択・職業生活設計・学びの方向性の明確化、それらを通じた円滑な就職活動の支援が求められています。

  • 特定層への支援(89件)
    相談者の中でも、特定の人たちに向けた支援方法を学ぶ講習です。年代別、多様性尊重も含めた性、就職の有無、病気や難病、メンタルヘルス、障がい、外国人グローバル人材、企業での役職など、年々多様化・個別化する相談に対応できるような技能が求められています。

  • 領域共通の技能(106件)
    カウンセリングの進め方を体系的に理解したうえで、キャリアコンサルタントとして、相談者との人格的相互関係の中で相談者が自分に気づき、成長するよう相談を進めることができるよう、技能をブラッシュアップする講習です。

  • 特定のカウンセリング技法(79件)
    キャリアコンサルティングの土台になっているのは、カウンセリング心理学の理論・倫理・技法です。さまざまな種類の心理学的技法を学び、1対1の面接スキルの向上をめざします。

  • ジョブ・カード作成支援(14件)
    ジョブ・カードとは、個人のキャリアアップや円滑な就職促進を目的に厚生労働省が様式を定めたツールです。「生涯を通じたキャリア・プランニング」や「職業能力証明」の機能を担い、求職活動やキャリア形成に役立つツールとして普及がすすめられています。キャリアコンサルタントから相談者にジョブ・カードについて説明できると同時に、適切な作成指導をするために学べる講習です。
    出典:厚生労働省「マイ・ジョブ・カード
  • ツールの理解・活用(32件)
    キャリアコンサルタントは、相談者の年齢、相談内容、ニーズなどに応じて、適切な時期に適切なツールを選択・実施する必要があります。また、その結果を適正に解釈し、評価検査の限界も含めて相談者自身が理解するようにスキルを身につける講習です。
  • グループアプローチ(18件)
    2023年現在、技能講習の中で唯一、複数人に向けた支援方法を学べるのがグループアプローチです。
    グループを活用したキャリアコンサルティングの意義、 有効性、進め方の留意点などについて理解し、それらを踏まえて基本的なグループ運営を行えるようにするための講習です。
    出典:厚生労働省 平成27年度「キャリア・コンサルティング研究会」報告書
  • 事例検討(38件)
    事例検討とは、すでに支援が終了したある事例を取り上げて行うものです。今後さらに効果的なキャリアコンサルティングが実施できるようにするために、事例をていねいに振り返り、スキルを磨く講習です。特定層や特定のカウンセリング技法を使った事例検討の講習もあります。

キャリアカウンセリング協会(CCA)は、業界最大級の40の技能講習を実施しています。
キャリアコンサルタント技能講習

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キャリアカウンセリング協会(CCA)とは?

キャリアカウンセリング協会のトップページ出典:特定非営利活動法人キャリアカウンセリング協会

キャリアカウンセリング協会は、養成講習、試験、資格認定、継続学習、指導者養成までを行う日本で唯一のキャリアコンサルタント養成の専業機関です。Career Consulting Associationの頭文字を取って「CCA」とも呼ばれます。
キャリアカウンセリングの重要性を広く普及するとともに、キャリアカウンセリングの担い手であるキャリアカウンセラー(キャリアコンサルタント)の技術向上・地位向上・職業としての成立支援および日本におけるキャリアカウンセリング(キャリアコンサルティング)の理念・倫理の確立を推進する目的で2003年に設立されました。

キャリアコンサルタント養成講習「GCDF-Japan」

キャリアコンサルタント養成講習GCDF-Japanキャリアカウンセラートレーニングプログラムのトップページ

2003年には、厚生労働省標準レベルコンサルタント能力評価試験の実施機関として認定されます。
2004年、CCAは株式会社リクルートよりGCDF-Japanキャリアカウンセラートレーニングプログラムの運営を移管され、現在も継続しています。GCDF-Japanキャリアカウンセラートレーニングプログラムは、2016年4月よりキャリアコンサルタント養成講習として厚生労働大臣に認定されています。

GCDFのカリキュラム全12回

GCDF-Japanキャリアカウンセラートレーニングプログラム「講座カリキュラム

GCDFは全12回の講義とホームワークで構成され、講義は通学またはオンライン(Zoomミーティングを使用)で行われます。
キャリア支援に関わる専門家として「現場で今必要とされる幅広い知識と実践的なスキル」を、理解しやすいステップで学べるカリキュラムが特長です。

キャリアコンサルタント養成講習GCDF-Japanキャリアカウンセラートレーニングプログラム

キャリアコンサルタント更新講習は知識・技能合わせて44講習

キャリアカウンセリング協会キャリアコンサルタント向け学習情報のトップページ出典:CCAのキャリアコンサルタント学習情報|国家資格キャリアコンサルタント更新講習・GCDF-Japan継続学習

2016年にキャリアコンサルタント更新講習の実施指定機関として厚生労働省に登録認定され、2023年10月現在、業界最大級の44講習を実施しています。

キャリアコンサルタントの指導者養成「CCAスーパーバイザー養成・認定プログラム」

キャリアコンサルタント資格者数の増加や相談ニーズの増加、はたらく人を取り巻く環境変化などにともない、キャリアコンサルタントには学びによる資質向上が求められています。
CCAでは質の高い指導者の輩出に注力を続けており、2009年から始まった筑波大学との共同研究によるCCAスーパーバイザー養成・認定プログラムは、2023年には第14期を迎えます。現在では、キャリアコンサルティングの基礎から指導者養成までの学び体系を持つ養成機関として運営しています。
出典:CCAのキャリアコンサルタント学習情報「【CCA】スーパーバイザー養成・認定プログラム

キャリアカウンセリング協会

まとめ

キャリアコンサルタントの協会や試験団体の違い、試験や講習の選び方についてまとめました。

  1. キャリアコンサルタントの登録試験機関は「協議会」と「JCDA」の2団体
  2. キャリアコンサルタント養成講習は、厚生労働大臣に認定された22団体が実施
  3. 養成講習はキャリアコンサルティングの基礎を身につける第一歩。自分に合った学びのできる講習を選ぶ
  4. キャリアコンサルタント更新講習は、知識講習・技能講習合わせて66団体が実施
  5. 知識講習は、講師の専門分野や実務に活かせる内容かどうかなどを検討して選ぶ
  6. 更新講習は、キャリアコンサルタント自身の課題や学びたいテーマに合った科目を選ぶ